ソフトウェア・シンポジウム2008
参加者募集

2008年6月25日(水)〜27日(金)

於: かがわ国際会議場サンポートホール高松
(香川県高松市)

主催
ソフトウェア技術者協会

協賛(予定)
日本ソフトウェア科学会 情報処理学会
電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会
電子情報通信学会知能ソフトウェア工学研究会
情報サービス産業協会
香川県情報サービス産業協議会

共催
香川大学工学部、香川大学総合情報センター


 ソフトウェア・シンポジウムは,ソフトウェア技術に関わるさまざまな 人びと(技術者,研究者,教育者,学生 etc) が,自らの経験にもとづいて 得られた技術や経験あるいは知識を交流する貴重な場として,これまで四 半世紀以上にわたって開催されてきました.

 29回目を迎える今年のシンポジウムは,6月25日(水)〜27日(金) の3日間,香川県高松市で開催します.

 シンポジウムの運営スタイルは,一昨年から,参加者全員がいくつかの テーマごとのグループに分かれてワークショップ討論を行うというかたち にモデル・チェンジしました.他人の講演や論文発表を聴いて帰るだけに 終わってしまう通常のイベントとは違って,相互により深い技術交流がで きるユニークな試みとして,昨年・一昨年の参加者の方々から高い評価を いただいています.

 今年は,次の8つの討論テーマが設定されています:

シンポジウムに参加を希望される方は,下に添付したそれぞれのWGの 概要説明をお読みになったうえで,自分がどこに参加するかを決めていた だきます.参加希望のWG指定なしの申し込みは受け付けられません.

なお,すべての WG には,それぞれ Mailing List や SNS が用意され ており,それを利用して事前に自由な意見交換や討論を行なうことができ るようになっています.いくつかの Mailing List では,そのテーマに興 味はあるが,まだ参加するかどうかを決めかねている方々もオープン加入 が可能なので,そこで事前討論の傍聴やコメントの投稿ができます.

もし複数の WG のテーマに魅力を感じていて,どれかを選択するかまだ 迷っているという場合には,仮にどれか1つのWGに参加希望を出してお き,複数の WG の ML や SNS 上での事前討論のようすを見た上で最終決 定(シンポジウム当日に参加する WG の選択あるいは変更)をすればよい でしょう.

なお,シンポジウムの最初と最後には,次のお2人を Keynote Speaker としてお招きして,招待講演をお願いしてあります:

Opening Keynote (6/25 午後)
まつもと ゆきひろ (ネットワーク応用通信研究所)

いまさら紹介の必要はないでしょう.プログラミング言語 Ruby の開発者として世界的に有名なプログラマです.

Closing Keynote (6/27 午前)
池上敬一 (獨協医科大学 越谷病院 救命救急センター)

シミュレーションを活用した救急医療専門家の養成という 課題に取り組んでおられる気鋭のドクター.その知見はソ フトウェア技術者の育成にも大いに参考になるでしょう.

プログラムの枠組み

3日間のプログラムの枠組みは以下の通りです:

6月25日(水)

12:30-13:00 開場・受付
13:00-14:30 Opening Keynote
14:30-15:00 Break
15:00-17:00 並列オープン・セッション [*1]
18:00-19:30 情報交換会

6月26日(木)

09:00-17:00 8つのWGに分かれてのグループ討論

6月27日(金)

08:30 開場
09:00-10:30 Closing Keynote
10:30-11:00 Break
11:00-12:45 クロージング [*2]
[*1] 各WGの企画によるチュートリアル他のセッション.

現在7つのWGから企画が提案されています.4月半ばには 詳細プログラムを確定し発表する予定です. 参加者は自由にどのセッションに出ることができます.

[*2] 各WGの報告またはパネル,そして閉会挨拶

プログラムの詳細は,決まり次第,公式ページでアナウンスします:

http://www.sea.jp/Events/symposium/ss2008/

グループ討論のテーマ説明

8つのWGの討論テーマは次の通りです:


WG1:「モデリング」
WGリーダー :山田正樹(メタボリックス)
問合せ先 ML:owner-ss2008-model@media.osaka-cu.ac.jp
討論用 ML :ss2008-model@media.osaka-cu.ac.jp

Real2Model2Real「社会をモデル化する,モデルを動かす」が,この グループのテーマです.「モデリング」は UML モデリングに限らず, 「現実を抽象化し現実に影響を及ばす」という意味で,ソフトウェア 開発におけるもっとも重要な能力であり,作業の一つです.しかし一 方で,現実とモデルのつながりのまずさが大きな問題を引き起こした りしています.このグループでは,業務分析,仕様策定,プログラミ ング、テスト,プロジェクト運営などの活動を広い意味でのモデリン グとしてとらえ,現実のリンクの問題点を解決する途を探ります.実 行・支援・教育・管理など,さまざまな立場からの参加をお待ちしま す.
なお,参加希望者は,A4版2ページ程度のレポート形式のポジショ ン・ペーパーを提出してください.


WG2:「FLOSS 」
WGリーダー:鈴木裕信(鈴木裕信事務所)
問合せ先 ML:owner-ss2008-floss@media.osaka-cu.ac.jp
討論用 ML:ss2008-floss@media.osaka-cu.ac.jp

われわれのスローガンは "Don't trust anyone over thirty" です. 30歳以下の若手で FLOSS の開発あるいはこれから開発に手を染めよ うとしている人たちが中心になって,現在自分たちが抱えている疑問 点や問題点を抽出あるいは共有し,それをベースにみんなで議論して 解決の糸口を掴んでもらえる場を作り出したいと考えています. そうやって新しい人たちをサポートするのが,このグループに課せら れたファーストミッションだと考えています.若い人たちをサポート しなければ,FLOSS コミュニティだけでなく,日本のソフトウェア産 業全体が朽ち果てて行くのではないかという危機感があります.もち ろん、経験豊かな FLOSS 技術者や業界経験者が議論をサポートします. なお,実年齢が何歳であっても, "Don't trust anyone over thirty" の精神を持っている人であれば Welcome です. シンポジウム当日だけ参加しておしまいという形ではなく、事前に参 加者のために用意したSNSに参加していただき,その中でコミュニケ ーションを取りあった上で,集中的に討議を行ないたいと考えます.

参加対象者例
* 会社に入って10年未満のエンジニアで FLOSS に興味のある人
* 大学生・大学院生で FLOSS に興味のある人
* FLOSSソフトウェアの開発者あるいはメンテナンス者


WG3:「Immaterial Labor」
WGリーダー:伊藤昌夫(ニル ソフトウェア)
問合せ先 ML:owner-ss2008-il@media.osaka-cu.ac.jp
討論用 ML:ss2008-il@media.osaka-cu.ac.jp

このグループでは,昨年6月の IWFST2007 in 杭州および12月の SEA Forum に引き続いて,Maurizio Lazzarato さんのエッセイ[*] をベ ースに,無形労働(Immaterial Labor) としてのソフトウェア開発が 抱えるさまざまな問題について討論したいと考えています.

  [*] http://www.generation-online.org/c/fcimmateriallabour3.htm

われわれがソフトウェアに関わる上で,哲学者・廣松渉さんが提示さ れた標語:「モノからコトへ」が,きわめて重要だと感じられます. 「コト」というのは,我々の経験そのものであり,認識における「モ ノ」はそこから二次的に発生します.ソフトウェアは,無形であるが ゆえに,少し気を緩めると抽象的な数値や表層的に見えるものにとら われ(物象化あるいは「見える化」)の陥穽に落ちこみ), ともすれば この「コト」としての特性を忘れがちになります.Lazzarato さんが 示した Immaterial Labor(無形労働)という概念は,労働の本質に根 ざしています.その意味で若干冗長な用語かも知れませんが,純粋に 「かたちのないモノ」を作る仕事であるソフトウェア作りという活動 を真摯に見つめ,また,有形の罠に陥らないようにするために,その 主張するところをきちんと理解することが大切だと思います. 今回の WG で議論したいことがらの例をいくつか挙げると次の通りで す:

(1) ソフトウェア開発プロセスのさまざまなモデルについて
(2) より広範な要求・サービスに関わるプロセスについて
(3) ユーザインターフェイスについて

討論にあたっては,まず最初に無形労働の概念や IWFST2007 および 12月のSEA Forum での議論の概要を紹介します.その後で,これから のソフトウェア開発のあり方を探る上で役に立つような討議を,参加 者のみなさんと一緒に展開できれば,と考えています.


WG4:「組込み」
    WGリーダー
: 鈴木郁子(シャープ)
問合せ先 ML: owner-ss2008-embedded@media.osaka-cu.ac.jp
討論用 ML: ss2008-embedded@media.osaka-cu.ac.jp

昨年,このグループでは,プロダクトライン開発方法論を従来の再利 用/派生開発と対比させて,組込みシステムへの適用を議論しました. 今年は,品質保証の切口からの議論を展開したいと考えています. 具体的には,大規模組込みソフトウェア開発,特にファミリ製品開発 における品質保証として,できるかぎり前倒しで品質を保証するため にはどうすればよいのか? V字モデルの後半(スラッシュ)ではなく, 前半(つまりバックスラッシュ)に重点を置く品質保証のあり方を議論 します.


WG5:「教育」
WGリーダー:垂水浩幸(香川大学)
問合せ先 ML:owner-ss2008-edu@media.osaka-cu.ac.jp
討論用 ML:ss2008-edu@media.osaka-cu.ac.jp

ソフトウェア技術者の人材不足,大学における情報系学科の人気低下 などの背景により,ソフトウェア工学における教育の位置付けはます ます重要性を増してきています.企業においても大学においても,従 来より幅広い層に対して教育を行わなければならない必要性に迫られ ているのではないでしょうか? このグループでは,教育現場における最近の問題について登壇者を募 集し,ディスカッションを行います.特に,導入教育寄りの部分に重 点を置きたいと考えています.


WG6:「テスト」
WGリーダー:秋山浩一(富士ゼロックス株式会社)
問合せ先 ML:owner-ss2008-test@media.osaka-cu.ac.jp
討論用 ML :ss2008-test@media.osaka-cu.ac.jp

ソフトウェアのバグは,毎日のようにメディアに取り上げられていま す.昨年末から今年にかけても,

  ・ Windows Home Server上のファイルが破損(2007.12.27)
  ・ 「高認」で採点ミス,12人不合格に(2007.12.28)
  ・ 米産牛肉,月齢21カ月「未満」を「以下」と誤り国内で販売(2008.1.12)
  ・ JR西日本,新今宮駅での特急誤進入(2008.1.11)
  ・ 県健康増進センター検診結果を3700人に誤通知(2008.1.20)

といった状況であり,われわれも,もし駅員が気づかなければ,特急 列車が誤進入して大惨事に巻き込まれていたかもしれません. そこで,このグループでは,これらの問題のいくつかを取り上げ,技 術,プロセス,マネジメント等々のどこに問題があったのか深く掘り 下げるとともに,対策について議論したいと考えています.


WG7:「要求」
WGリーダー: 糸賀裕弥(立命館大学)
問合せ先 ML: owner-ss2008-req@media.osaka-cu.ac.jp
討論用 ML: ss2008-req@media.osaka-cu.ac.jp

情報システム開発では,上流工程の重要性が広く認識されるようにな り,それに伴って要求工学への期待が高まってきています. そこで,このグループでは,システム要求の作成に携わる実務者と要 求工学の研究者との相互交流の場を提供することにより,システム要 求を作成する上での経験や知見の共有を図ります.特に,要求の獲得 と分析において現実に技術者が直面する課題等について議論を深めた いと考えています.

ディスカッションにあたっては,参加者によるポジションペーパーの 発表と討論を通じて,要求工学の課題を具体化するとともに今後のあ るべき方向を探ります.


WG8:「ソフトウェア開発やりくり」
WGリーダー: 新谷勝利(IPA-SEC)
問合せ先 ML:owner-ss2008-swyarikuri@media.osaka-cu.ac.jp
討論用 ML:ss2008-swyarikuri@media.osaka-cu.ac.jp

このワーキング・グループは swyarikur(ソフトウェア開発やりくり) をテーマに,多くの皆さんと議論をしたいと思います.具体的には, 以下のことがらについて,ブレーンストーミング的な議論をしたいと 考えています(ただし,議論のテーマはこれらに限定するものではあ りません).

  ・今のソフトウェア開発環境に満足していないが,どう解決するのが いいのであろう? 参加者に、それぞれの対場から問題提起をしていただき,それを根 本的な原因にまで深く掘り下げて,解決へのアプローチを見つける.

  ・ソフトウェア開発は3Kだといわれている状況をそのままにしておい ていいわけがないと考えますが,それをよりポジティブなかたちに するためにどうすればいいのであろう?

    ソフトウェア開発管理は,管理者だけが実施する活動ではありません. このワーキング・グループではむしろ,開発現場での諸問題を当事者 であるソフトウェア技術者の皆さんがどのように認識し,把握し,解 決を図っているかを議論したいと考えています.まさしく,やりくり です.


ML および SNS について

それぞれの WG への参加申込みをされた方は自動的にそのグループの ML に登録されますので,まず自分の立場を表明するポジション・ステートメ ントを投稿し,SS 当日まで事前の討論に参加してください.

どれかの WG に興味があって,そのグループの事前討論に参加したい という方は,それぞれの WG の問合せ先 ML:

  owner-ss2008-xxxx@media.osaka-cu.ac.jp
  (xxxx の部分は該当 WG に応じて書換えてください)

宛てに mail で申し出てください.

また SNS については,シンポジウムのホームページをご覧ください.

参加申込み方法

シンポジウムに参加を希望される方は,次の登録票に所定の事項を記入し て SEA 事務局 (sea @ sea.or.jp) まで e-mail でお送りください. 折り返し,参加費の請求書および参加票そのほかを郵便でお送りします.

  --------- SS2008 in 高松 参加申し込み & WG 登録 --------------
  
   氏名(ふりがな):
   会社/学校名:
   部門・役職:
   郵便番号:
   住所:
   TEL/FAX:
   e-mail:
   種別(いずれかにチェック)
        □ SEA 正会員 (No.               )  
        □ SEA シルバー会員
        □ SEA 賛助会員 (会社名:          )
                □ 協賛団体会員 (団体名:          )
                □ 一般
                □ 学生

   なお,参加費は次の通りです:   
                SEA および協賛団体会員 30,000円
        SEA シルバー会員[*]   20,000円
        一般          40,000円
        学生          10,000円 
            [*] SEA 正会員で満60歳以上の方

   参加を希望するWG (いずれか1つを選択):
     □ WS1 (モデリング)   □ WS2 (FLOSS)
     □ WS3 (Immaterial Labor)□ WS4 (組込み)
     □ WS5 (教育)       □ WS6 (テスト)
     □ WS7 (要求)      □ WS8 (ソフトウェア開発管理)

   あなたはすでにその WG の討論用 ML に登録していますか?
     □ YES  □ NO
  
  ----------- mail to: sea @ sea.or.jp -------------------
  ------  (Text mail に限る,添付ファイルは不可) ---------
 注意:
(1) 返信の郵送先が所属先ではなく自宅宛の場合はその旨を明記して ください.
(2) このシンポジウムは,全員参加の WG 討論を中心にする会議です. 参加希望 WG の指定がない申し込みは受け付けられません.
(3) すべての参加者は自動的にその WG の討論用 ML に登録されます. WG リーダからの指示にしたがって自分の Position Statement を表明し,事前討論に参加してください.

問合せ先

シンポジウム全体についての質問はソフトウェア技術者協会事務局宛に mail でお願いします:

  sea@sea.or.jp

個々の WG についての質問は,それぞれの問合わせ先ML:

  owner-ss2008-xxxx@media.osaka-cu.ac.jp   (xxxx の部分は該当 WG に応じて書換えてください)

宛てに mail してください.

シンポジウムスタッフ

実行委員長
古川善吾(香川大学) 中谷多哉子(筑波大学/エス・ラグーン)
プログラム委員長
垂水浩幸(香川大学) 石川雅彦(SRA)
プログラム委員
秋山浩一(富士ゼロックス) 阿萬裕久(愛媛大学)
伊藤昌夫(ニルソフトウェア) 糸賀裕弥(立命館大学)
小笠原豊道(よんでんメディアワークス) 君島浩(アルー)
熊谷章(TAO Bears LLC) 新谷勝利(IPA-SEC) 鈴木郁子(シャープ)
鈴木裕信(鈴木裕信事務所) 高橋光裕(電力中央研究所)
田中一夫(アイエックス・ナレッジ) 中野秀男(大阪市立大学)
野中哲(トゥルーロジック) 東田雅宏(TAO Bears LLC)
松原友夫(松原コンサルティング) 満田成紀(和歌山大学)
奈良隆正(NARAコンサルティング) 山内和幸(リコー)
山崎進(北九州市立大学) 山田正樹(メタボリックス)
事務局
岸田孝一(SRA-KTL & SEA Office)
mail to: k2@sra.co.jp, k2@sea.or.jp
Ver.2008/03/23
Last modified: 2008/04/03 00:00:00 JST